ブックカバー/アイビーと、池谷祐二・糸井重里『海馬 脳は疲れない』
緑色には
リラックス効果がある。
だからなのか。
脳の研究をされている池谷祐二さんと
コピーライターの糸井重里さん
おふたりの対談で構成されている
『海馬 脳は疲れない』は
装丁が緑色。
脳の話って難しそう
という懸念は
「だって糸井さんだから」
という理由で最初から全くなく
ちょいちょい挟み込まれる図解も
シンプルでわかりやすくてカワイイので
スイスイスイ〜と読み進めていける。
おまけに
章ごとにまとめもあったりして
ものすごく親切。
この本は当時
単行本で購入して
(今は文庫も出ています!)
カバンの中に
仕事の書類なんかと一緒に放り込こんで
通勤の行き帰りの電車で毎日読んでいた。
あまりにも
ほっほ〜と膝を打つような内容が満載で
電車の中でひとりニヤニヤしながら
時には
吹き出しそうになる笑いをこらえながら
ついつい驚いて漏れ出た声に
慌てて口を押さえたりしながら
たまに同僚に発見されて照れたりしながら
そんなこんなで
かなり楽しんで読んだ記憶がある。
楽しいは
心がリラックスするスイッチだ。
だけど
あんなにワハハハ読んでいたのに
悲しいかな
人は忘れてしまうのですね。
いやでも
忘れることは
必ずしも悲しいことばかりとはかぎらないぞ。
なんてことをぐるぐる考え出したら
もう一度
この本を読みたくなってきた。
ふむふむ
脳は
人間は
まだまだ未開の可能性に満ちているみたい。
著者 / 池谷裕二・糸井重里『海馬 脳は疲れない』朝日出版社、2003年
ボトルケース /フラミンゴと、The Flamingos『 I Only Have Eyes For You』
チュマチュマッ
チュマチュマッ
と繰り返される印象的なフレーズ。
(本当はチュマチュマッとは言っていないけれど)
こどもの頃
ラジオから流れてきた
The Flamingos の『 I Only Have Eyes For You』。
なんとも優雅で気品の漂う美しいメロディ。
聴いた途端に虜になってしまった。
だけど
ラジオから流れてきた
一度聴いただけのその曲は
「フラミンゴス」という名前以外には
当時はタイトルがわからないまま
こどもの私には探し当てる手立てもなく
ただ
この素敵な曲を
忘れないように
忘れないように
チュマチュマッ
チュマチュマッ
を頭の中で
何度も何度も繰り返した。
今は
インターネットもYouTubuもあるから
ある程度の知りたいことは
いつでもどこでも入手できる。
この便利なツールは
自分ひとりではたどり着けなかったような
新しい世界をぐわんと広げてくれる。
さながら
情報のどこでもドアだ。
おかげで
この曲と再び出会うことができた。
この便利なツールを使って得られた
発見や感動を
ただ消費する情報として終わらせるのではなく
大切に持ち続けられるような
そんな
心が豊かになるようなものづくりをしていきたいと
久々にこの曲を聴きながら思っている。
やっぱりこの曲最高!
詞・曲 / Harry Warren, Al Dubin 歌 / The Flamingos『 I Only Have Eyes For You』1959年
ブックカバー/ナチュラルウール・ビスケットと、窪美澄『やめるときも、すこやかなるときも』
窪美澄さんの『やめるときも、すこやかなるときも』。
この本が文庫になった2019年の冬。
タイムリーにそれを手にし
日々少しずつ読み進めた
冬から始まった物語は
まるで自分の現実と同期するかのように
季節が同じ歩幅で進んでいった。
たくさんの色
たくさんの音
たくさんのにおいが
この物語と同じように
生活の中には散りばめられている。
『ふしぎなポケット』は持ってないけれど
やめるときも
すこやかなるときも
人やモノや出来事のそばにある
色や音や匂いのひとつひとつとともに今日を更新しながら
これからも
生活を続けていこう。
著者 / 窪美澄『やめるときも、すこやかなるときも』集英社、2019年
詩 / まど・みちお、曲 / 渡辺茂『ふしぎなポケット』
あたらしいアイテム試作中
新しいアイテムのがま口ポーチ。
可愛らしいのができそうです。
気に入っていただけるといいな。
近日お披露目予定。
ボトルケース /マンゴーと、やくしまるえつこ『ヒゲちゃん』
ブックカバー/野苺と、筒井康隆『パプリカ』
江頭2:50 の
「取って、入れて、出す」の動きが大好き。
たしか以前えがちゃんが
あれを「動と静」の表現だと
説明していたような気がする。
それを聞いてえらく得心して
ほっほー、と膝を打った。
あの動きは緩急が大事です。
筒井康隆の『パプリカ』は
まさに
動と静のスペクタクル。
夢と現実
意識と無意識
善と悪
からだと精神
夢探偵の主人公パプリカを媒介に
二重構造はごちゃ混ぜになって
真っ赤な炎のように
どんどんどんどん熱を帯びていく。
そして
迎えるラストの静寂。
これは
覚醒の物語。
自分にとっての覚醒スイッチは
いつも
思いがけないところからやってくる。
著者 / 筒井康隆『パプリカ』新潮社、2006年