ブックカバー/ナチュラルウール・銀鼠と、ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
こんなに色彩を感じられる物語はあるのか
というくらい
『うたかたの日々』は色に満ちている。
美しさを象徴するような色だけではなくて
不安な足音を想像させる色も
同じように存在している。
それは
美しい睡蓮が泥の中で咲くように。
登場人物たちに
いつも優しく寄り添い見守っていた
勇敢なハツカネズミに
敬意を表して。
あ、
この小説を原作に描かれた
岡崎京子さんの『うたかたの日々』も素敵です。
著者 / ボリス・ヴィアン、訳者 / 伊藤守男『うたかたの日々』早川書房、2007年
著者 / 岡崎京子『うたかたの日々』宝島社、2003年、(初出誌 / 月刊『CUTiE』1994年8月号〜1995年7月号)
ボトルケース /黒鍵と、藤井風『何なんw』
黒と白。
相対する色。
縮絨することで
それぞれの色に影響を及ぼし
黒にも白にも
それぞれにそれぞれが少しずつ混ざり合っています。
Slowly Quicly も
そういった
相対的なバランスをイメージしたコンセプトで
相反するのではなく
違いを楽しみ溶け合うこと。
それは
色の力を借りて表現することができると考えています。
そして
ただモノを作るだけではなく
既成概念に捉われず
時には慎重に
時には大胆に
自由に踊るように楽しみたいと思っています。
…って、ありゃ
藤井風の『何なんw』って
Slowly Quicly を通じてやりたいことを歌ってくれとるから
同郷愛も加味されて
勝手にテーマソングに決定(パチパチ)。
詞・曲・歌 / 藤井風『何なんw』2020年
ボトルケース /青空と、小沢健二『あの川』
ブックカバー / ミモザと、山本夏彦『何用あって月世界へ 山本夏彦名言集』
家具や空間デザインが好きで
『室内』という雑誌を
よく読んでいた時期があり
創刊者の山本夏彦さんのことを知ったのは
それがきっかけだった。
2002年にお亡くなりになり
そのあと刊行されたのが
この
『何用あって月世界へ 山本夏彦名言集』。
様々な媒体にコラムを書かれていた
山本夏彦さんの
短い中にも核心をつく言葉が
たっぷりと掲載されている。
ミモザ色のブックカバーには
どんな本が合うかなぁ、と
本棚の文庫を物色していたら
目に留まったのがこの本だった。
ミモザ → 黄色 → 月
ちょっと単純すぎかな?
随分久しぶりに手にとり
ページをめくる中で見つけたのは
こんな言葉だった。
「親切というのは難しいという自覚を、親切な人は忘れがちである」
今日は上弦の月。
著者 / 山本夏彦、選者 / 植田康夫『何用あって月世界へ 山本夏彦名言集』文藝春秋、2003年